鰯雲、ハンモック

ハンモック 仰向(あおむ)け虚(うつ)ろ 鰯雲(いわしぐも) み

宵闇、テールランプ

宵闇(よいやみ)に 尾灯暗赤(あんせき) レストア車 み

葡萄酒醸す

<ナパ・バレーの山火事から1年> 葡萄酒醸(ぶどうしゅかも)す 火事を免(まぬか)れし谷 み

台風、紅芋

台風前 紅芋出荷し ホッと み

零余子(むかご)

零余子(むかご)の役目を知らず 炊き込み飯 み

雲海

雲海見て くしゃみ出る 熊野古道 み

韮の花(にらのはな)、秋の蝶

韮(にら)の花 蜜吸う蝶は 風に耐え み

重陽(ちょうよう)、秋の雛

重陽に 左随臣(ずいじん)、段から落ちる! み

美術展覧会

美術展 価値観に クタクタ、夕(ゆうべ) み

毒茸(どくだけ)

図鑑こそ信用できず毒きのこ み

律の調べ(りちのしらべ)、鸚哥(いんこ)

鸚哥(いんこ)迷い来て 律(りち)の調べ ループ み

赤蜻蛉(あかとんぼ)

左中間 赤蜻蛉(あかとんぼ)来る 巨人戦 み

鹿、ジビエ

尋ねれば 「鹿」と返す シェフは猟師 み

庭木刈る

庭木刈る 「清々(せいせい)した」と 母ぽつり み

あいの風

駅弁買おと窓上げる、 あいの風 み

秋の浜

秋の浜 反省もなく波寄せる み

蜩(ひぐらし)

蜩(ひぐらし)を聞いた気がする自習室 み

萩の花、残暑

萩の花 残暑を連れ攫(さら)ってくれ み

仙人草(せんにんそう)、稲刈り

仙人草見て 稲刈り機を試動 み

海月(くらげ)、海水浴

<回想でよむ。緊急事態宣言下、遠出は自粛> 君にもあったか 膝に海月(くらげ)の痕(あと) み

猛暑日

「40℃(よんじゅうど)」 言うより暑い 40℃(よんじゅうど) み

山登り

『健脚』も歩荷(ぼっか)に抜かれ杖を突く み

繭干す、繭煮る

干して煮て 蛹(さなぎ)殺して 繭糸(けんし)繰る み

応挙忌(おうきょき)

応挙忌に 群鶴図(ぐんかくず)見る 無量寺の み

胡瓜(きゅうり)

折詰のかっぱ巻き 夜行は楽し み

氷河

我らのとは異なる 氷河の時間 み

アロハシャツ

アロハシャツ 雑踏の皆 我避(よ)ける み

冷えた桃 捏(こ)ねて毛を取り 齧(かぶ)りつく み

枇杷(びわ)

枇杷(びわ)、三粒(みつぶ)食べると 種、植えたくなる み

ガーベラ、花手水(はなちょうず)

花手水(はなちょうず) ガーベラを沈める いけず み