涼風

涼風や三国峠のクロソイド み

初紅葉

仁清(にんせい)の皿にうつれる初紅葉 み

深山茜

深山茜(みやまあかね)とまり リュック軽くなる み

竹春

嵯峨野線を渡って竹春(ちくしゅん)に入(い)る み

ネクタリン

ネクタリン、頬擦(ほおず)りしてから冷凍 み

間引菜

つまみに良かれと間引きし過ぎぬよう の

小鳥来る

小鳥来てオーブル街にユートピア み

秋日射、簾

色褪(あ)せた簾(すだれ)また出す秋日射し み

遠浅(とおあさ)へ竿振り鱚(きす)釣る父と子 み

龍淵に潜む(りゅうふちにひそむ)

その池は覗(のぞ)くなミケよ龍淵(りゅうふち)に み

新米

新米より炊飯器の買い換えか み

秋光、鯖

秋光(しゅうこう)や干し網ゆらり鯖(さば)二枚 み

青蜜柑

青蜜柑10個(じっこ)、紙袋(かんぶくろ)でもらう み

吊忍

父の吊忍(つりしのぶ)、軒下にそのまま み

雷鳴、浮葉

雷鳴や浮葉(うきは)の雫(しずく)ブルッとな み

椋鳥、秋の夕

椋鳥(むくどり)は螺髪(らはつ)に集い、秋の夕 み

玄鳥去(つばめさる)

燕の巣が空(から)だ。腕を摩(さす)る朝 み

トマト

青臭いトマトは醤油または塩 み

車前

この一番(いちばん)に出す車前(おおばこ)は手負い み

守宮

ガラス戸に守宮(やもり)の足裏、視一視(しいっし) み

二枚貝アレルギー 鮑(あわび)は平気 み

南五味子

南五味子(さねかずら)、髪整えて逢坂へ み

誘蛾灯

「君は誘蛾灯(ゆうがとう)」 なにそれ意味不明 ま

朝凪(あさなぎ)

洋上の風車(ふうしゃ)は愚図る朝の凪(なぎ) み

待宵

待宵(まつよい)に 「なぜ行くの」 「苦しいからさ」 み

台風一過、迷い蝶

台風過ぎ 迷い蝶か 翅(はね)裂けて み

9月

地方紙に絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)載る9月 み

船虫

岩踏むと わっ船虫だ ガササササ み

野分立つ

野分立(のわきだ)つ駐輪ラタタと討死(うちじ)に み

昼の月

歩(ほ)を止(と)めて 昼の月 稽古(けいこ)の囃子(はやし) み