一月号に佳作と載って笑う み
古日記のスピンは先が解(ほつ)れた み
この町も『書店のない町』、冬めく み
図書館の閉館時刻に嚏(くしゃみ)よ み
爽やかに『とんでも本』を信じおり み
秋思や何にでも「もの」とルビを打つ み
図書館に五冊予約の冬支度 み
脚注に言い訳のある『星月夜』 み
12月、星を継ぐものに幸あれ み
その秋の風の名は我が辞書になし み
文机(ふみづくえ)の上に乱雑な残暑 み
ホテルの窓に 戒厳令(かいげんれい)の夜長 み
秋灯下(しゅうとう)、納得できない密室 み
回し読む詩集戻らず原爆忌 み
夏休み借りた本に詩の書き込み が
『砂漠の思想』 病葉(わくらば)を栞(しおり)には み
このページに木の葉挟んだ理由は? み
図鑑こそ信用できず毒きのこ み
『ホトトギス』 主(ぬし)亡き春に紙資源 み