ブチブチと枯桑(かれくわ)が刺す鬱(うつ)の雲 の
蜜柑山(みかんやま)の急坂(きゅうはん)から町と海 の
秋収め、とっくのとうに嘘はばれ の
秋さずいに稲刈りイベント延期 の
新米の袋に股慄(こりつ)の穀刺し の
「日本中デ育テルアノ草ハ?」 「稲」 み
枝豆は湯を沸(わか)しといてから穫(と)る の
田植は 力はいらないが 疲れる の
その菜の花畑に入っちゃダメよ の
物種(ものだね)を 3粒(みつぶ)、3粒(みつぶ)と 畝(うね)に蒔(ま)く の
柚子(ゆず)の搾汁(さくじゅう)終え、マスクに残る香(か) の
自然薯(じねんじょ)を掘れば地底の探検家 の
長靴で栗毬(くりいが)を割る残酷さ の
つまみに良かれと間引きし過ぎぬよう の
緋水鶏(ひくいな)は空耳(そらみみ)か休耕田に の
白鷺(しらさぎ)の立つ水田にひかり揺れ の
谷空木(たにうつぎ)、髪に飾れる早乙女(さおとめ)の の
田起しに何故(なぜ)この石はここにある の
彼(か)の地の麦秋(むぎあき) 空の青と穂の黄 み
養蜂(ようほう)の箱が並(なら)べば李(すもも)咲き み
朝霜の日の難儀(なんぎ) みな霜の所為(せい) の
穭(ひつじ)鋤込(すきこ)み この耕運機は退(の)く の
捨案山子(すてかかし) 不意に 戯(おど)けた顔 怖(こわ)し の
「もったいな」と落穂拾(おちぼひろ)たらギックリ の
金風(きんぷう)や稲穂撫(な)でたい摩(さす)りたい の
牛蒡(ごぼう)掘る マリーゴールドの種採る の
蕎麦(そば)の花 休耕田の水捌(みずは)けは? の
<ナパ・バレーの山火事から1年> 葡萄酒醸(ぶどうしゅかも)す 火事を免(まぬか)れし谷 み
台風前に紅芋出荷し ホッ の
仙人草見て 稲刈り機を試動 の