自然薯(じねんじょ)を掘れば地底の探検家 の
緋水鶏(ひくいな)は空耳(そらみみ)か休耕田に の
白鷺(しらさぎ)の立つ水田にひかり揺れ の
谷空木(たにうつぎ)、髪に飾れる早乙女(さおとめ)の の
田起しに何故(なぜ)この石はここにある の
彼(か)の地の麦秋(むぎあき) 空の青と穂の黄 み
養蜂(ようほう)の箱が並(なら)べば李(すもも)咲き み
朝霜の日の難儀(なんぎ) みな霜の所為(せい) の
穭(ひつじ)鋤込(すきこ)み この耕運機は退(の)く の
捨案山子(すてかかし) 不意に 戯(おど)けた顔 怖(こわ)し の
「もったいな」と落穂拾(おちぼひろ)たらギックリ の
金風(きんぷう)や稲穂撫(な)でたい摩(さす)りたい の
牛蒡(ごぼう)掘る マリーゴールドの種採る の
蕎麦(そば)の花 休耕田の水捌(みずは)けは? の
<ナパ・バレーの山火事から1年> 葡萄酒醸(ぶどうしゅかも)す 火事を免(まぬか)れし谷 み
台風前に紅芋出荷し ホッ の
仙人草見て 稲刈り機を試動 の
田植え機を洗い終えると半夏雨(はんげあめ) の
棚田への水路 目高(めだか)の群れ柔(やわ)し の
梨の木へ 200袋は 新記録 の
千枚田 腰を伸ばせば薫る風 の
雪解けのハウスに 菜花(なばな)穫(か)る夜明け の
ドローンをまた買い替える農具市 の
苗札(なえふだ)に「さわる菜」と書く新品種 の