消炭をヒトの形と炉に並べ み
初釜は火傷(やけど)しそうな缶コーヒ み
生けるのか 捨てるのか 台子(だいす)に芒(すすき) み
松風の音が途切れる間…遠雷 み
手酌(てじゃく)とは言わず自服(じふく)の瓶ビール み
釜の湯がぶつぶつ言(ゆ)うて足袋(たび)を脱ぐ ま
凌霄(のうぜん)の花敷く径(みち)に其はあやか み
茶花(ちゃばな)にミョーなもの置かれ 仏手柑(ぶっしゅかん) み
客人の頷(うなづ)くを見る敷松葉 み
「あれは『水琴窟(すいきんくつ)』」 「これは『鹿威(ししおど)し』」 み
<COVID-19流行下でよむ> 朝茶も『森』で 不機嫌が集まりぬ み
四阿(あずまや)に汗ばむもあり風炉(ふろ)でさえ み
<東日本大震災から10年、当時をよむ> 釣釜(つりがま)に揺れ始め知り『5強』来る み
<2021年1月 COVID-19緊急事態宣言下によむ> 夜咄(よばなし)も各服点(かくふくだて)で8時まで み