八手の花から天使の輪の光 み
そのあとに細き枝々の冬の日 み
庭石に座れば冬至梅(とうじうめ)の下 み
枯蓮の池に規制線が張られ み
どこにでもあると思うな枯芒(かれすすき) み
ライトアップの作為に残る紅葉 み
誰も何も得られず末枯れていく み
漂泊の想いだけでは草の花 み
天王寺動物園に木の実落つ(このみおつ) み
指を組む祈りではない石蕗の花(つわのはな) み
『先』とは未来か過去か。枯野の色 み
サルビアが燃えているとは面妖な み
木犀(もくせい)の香に好き嫌いの口論 み
峠から人はさまざま野菊咲く み
鶏頭(けいとう)などもう忘れ去った庭に み
蔦よ心の塀を登るべからず み
肘の痣、いつできたのか吾亦紅 み
ベランダの月下美人が伸びていた み
鎧には無防備すぎる百日紅(さるすべり) み
薄幸の色気がありて黄蜀葵(おうしょっき) み
電柱とグラジオラスが写る町 み
双頭蓮(そうとうれん)に「サワルナ」と注意書き み
夕顔が咲いてどうする姉の家 み
支柱を貸すからまだ伸びろ向日葵(ひまわり) み
幸せの皺寄せが来る胡蝶蘭 み
ハイビスカスの庭にジープを停める み
水牛の背が臭う、ブーゲンビリア み
ハンゲショウの花が「ここよ」と誘惑 み
クリーム色の電車で菖蒲園へ み
透け感、抜け感、山荷葉(さんかよう)が濡れて み