横須賀のグレーの艦に明の雪 み
冬空の鬱憤を切る渡し船 み
十月に赤き潜水艦を追え み
船乗りの歌は夏風、重い明日 み
陽炎(かげろう)の巨船にクルマを積め積め み
外務省の人らと流氷を見る み
赤道の夕焼 舷窓(げんそう)を支配 み
航跡の消失点に雲の峰 み
鰹船(かつおぶね)の換気口にカレーの香 み
出港時刻に戻れずオキザリス み
東風(こち)時化(しけ)て豪華客船も船酔い み
客船の春灯(しゅんとう) おっとりと離岸 み
スカーフは呉(く)れてやれ。瀬戸の春風 み
夏夕べ欠伸(あくび)指南(しなん)の屋形船 み
ヨットは快走。次の風が見える み
お花見へ家族でフェリー島津雨 み
大橋くぐる船上、節東風(せちごち)吸う み
双眼鏡の中 うねり、帆も隠れ み
白夜(はくや)のフィヨルドへ 緋(ひ)に染まるフェリー み
ガスの四島(よんとう) 英国船から見る み
観潮船 橋、見上げても歓声 み
祖父乗りし捕鯨船 写るモノクロ み
砕氷船の売店 餡饅(あんまん)「熱(あ)っ!」 み