どんな日が来るかドキドキ初暦 み
七日、なじみの店はまだ閉まってる み
肖像権はどうなって絵羽子板 み
明日は仕事始め、ではない定年 み
除夜の鐘の数だけシステムエラー み
注連縄(しめなわ)が綯(な)われる先に年の暮 み
据銃(きょじゅう)の少年の瞳に凍光 み
さて『永久』ではない永久凍土(えいきゅうとうど) み
テーブルを拭くアルコール、そぞろ寒 み
秋霜(しゅうそう)や無辜(むこ)を罰することなかれ み
秋深し、隣は錬金術師か み
身にしみて社会保障は『ネズミ講』 み
「あのあれを持ってきてよ」と芋煮会 み
対岸は安らかに見える秋の野 み
水澄めどチョロチョロ越せぬ車椅子 み
氏名の振り仮名を訂正する秋 み
アクリルスタンドから光る秋晴れ み
夏よ、もっと仕掛けてくると思った み
踊り手は三三五五(さんさんごご)で輪ができず み
『お疲れ』や『ご苦労』に『様』を付け解夏(げげ) み
秘書室に配られた祭の団扇 み
核兵器を持つ理由は… 原爆忌 み
避暑の地はバブル時代の別荘地 み
解剖医もカーボーイも玉の汗 み
無職という職業がある父の日 み
モビールの鳥たちが飛ぶみどりの日 み
もう鯉幟(こいのぼり)など揚(あ)げる家はない み
メーデーに知らぬ言語の口喧嘩 み
『主権回復の日』がカレンダにない み
初任給が上がる 序列は逆転 み