浜のアロエの花に蜜吸うメジロ み
雪風巻(ゆきしま)き 鷗啼(かもめな)く High F♯(はいえふしゃーぷ) み
ヒヨヒヨと鵯(ひよどり)うるさ旅の朝 み
椋鳥(むくどり)は螺髪(らはつ)に集い、秋の夕 み
燕の巣が空(から)だ。腕を摩(さす)る朝 み
鳥たちよ乾涸(ひから)びたミミズ美味(うま)いか み
夜鷹(よたか)啼く空にそれほど自由なし み
緋水鶏(ひくいな)は空耳(そらみみ)か休耕田に の
白鷺(しらさぎ)の立つ水田にひかり揺れ の
ベランダで吾(あ)の悪口を雀の子 み
鶯(うぐいす)の歌詠めずにアトピー出る み
宮鳩に目つき険(けわ)しはもと鷹か み
勝者のごと全て持ち去れ白鳥 み
寒風にペンギンになり初電(しょでん)待つ み
晨風(あさかぜ)の自由落下300km/h(さんびゃっきろ) み
ジーランドの鴨が守銭奴(しゅせんど)を嗤(わら)う み
コッコココ 寒卵(かんたまご) まだ温(あった)かい み
凍鶴(いてづる)よ もっと南に渡らぬか み
鸚哥(いんこ)迷い来て 律(りち)の調べ ループ み
弱りし友残し雁帰る 無情 み
ジョナサンと名付けし寒雀(かんすずめ)の 骸(がい) み