朝雲雀

石垣を昇って天守、朝雲雀(あさひばり) み

鴛鴦、離鴛鴦

鴛鴦(おしどり)が奇数羽、どれか離鴛鴦(はなれおし) み

鵟(のすり)よ、『邪(じゃ)』の対は『正(しょう)』か『別の邪(じゃ)』か み

鶺鴒

「あれ、鶺鴒(せきれい)」と中居。どこ?チッチチッ み

瑠璃

鳥の世は雄のみ鮮やか瑠璃(るり)色 み

時鳥、忍び音

映画観(み)て 今宵(こよい) 忍(しの)び音(ね) 時鳥(ほととぎす) み

小夜啼鳥

小夜啼鳥(さよなきどり)の不協和音の余白 み

子雀

子雀が米粒つつく操車場 み

巣箱

その巣箱、バリが多くて痛そうね み

雉、鶴、鴇

鶴(つる)・鴇(とき)を押さえて国鳥たる雉(きじ) み

燕来る(つばめくる)

ジーンズ洗って干すと 燕が来た み

鳶の巣

鳶(とび)の巣に 海辺の小屋に 可惜夜(あたらよ)よ み

緋連雀、黄連雀

緋連雀(ひれんじゃく):(たい)黄連雀(きれんじゃく)=(は)5(ご):(たい)2(に) み

アロエの花、目白

浜のアロエの花に蜜吸うメジロ み

雪風巻(ゆきしまき)

雪風巻(ゆきしま)き 鷗啼(かもめな)く High F♯(はいえふしゃーぷ) み

ヒヨヒヨと鵯(ひよどり)うるさ旅の朝 み

椋鳥、秋の夕

椋鳥(むくどり)は螺髪(らはつ)に集い、秋の夕 み

玄鳥去(つばめさる)

燕の巣が空(から)だ。腕を摩(さす)る朝 み

蚯蚓(みみず)

鳥たちよ乾涸(ひから)びたミミズ美味(うま)いか み

夜鷹

夜鷹(よたか)啼く空にそれほど自由なし み

水遊び

イルカ跳(と)び ペンギン潜(もぐ)り 水遊び み

緋水鶏

緋水鶏(ひくいな)は空耳(そらみみ)か休耕田に の

白鷺

白鷺(しらさぎ)の立つ水田にひかり揺れ の

雀の子

ベランダで吾(あ)の悪口を雀の子 み

鶯(うぐいす)の歌詠めずにアトピー出る み

鷹化して鳩と為る

宮鳩に目つき険(けわ)しはもと鷹か み

白鳥帰る

勝者のごと全て持ち去れ白鳥 み

寒風

寒風にペンギンになり初電(しょでん)待つ み

晨風(あさかぜ)

晨風(あさかぜ)の自由落下300km/h(さんびゃっきろ) み

ジーランドの鴨が守銭奴(しゅせんど)を嗤(わら)う か