店々の蒸饅頭(むしまんじゅう) それぞれ買う み
鼈鍋(すっぽんなべ)に 甲羅の構造見る み
飯櫃入(おはちいれ) 昨夜寿司屋で発見す み
善哉(ぜんざい)をシャツにこぼした針供養 み <2022年、今年はぜんざいのふるまいは中止かな>
雪見障子の座敷で お好み焼き み
おでん汁(つゆ)残る皿 すぐ下げられた み
宅配おせち 冷蔵庫から 出して み
朝から牡丹鍋(ぼたんなべ)、ここも東京都 み
画面の数の子に「ニャー」の手 ちょと邪魔 み
超辛(ちょうから)を無理したJohn(じょん)も白い息 み
牡蠣(かき)喰らう 冷えたシャルドネ毒消しに み
シメの雑炊(ぞうすい)にも奉行(ぶぎょう)居て、やいの み
河豚(ふぐ)の煮凝(にこご)り 舌に電気が走る み
食事前に浅漬(あさづ)けを食べてしまう み
夜食は 「良い」・「悪い」 書き込みに惑う み
食事室 咳の連鎖の あ々可笑(おか)し み
「これはなに?」 「石狩鍋よ」 キャンプの夜 み
柳葉魚(ししゃも)焼く 尾は焦げて 腹は爆発 み
軽トラの焼き芋屋来る神無月 み
さんま寿司 買って 特急、名古屋まで み
柿は、 硬いのが好き? 軟(やわ)いのが好き? み
和田倉門(わだくらもん)見ながら マロンシャンティイ み
新蕎麦(しんそば)や父はざるに汁(つゆ)をかけた み
蝗(いなご)の佃煮(つくだに)出て 静かならずや み
秋茄子(あきなす)は蔕(へた)の芯こそ真の味 み
紙袋ずっしり そごうで月餅(げっぺい) み
里芋は蛸(たこ)と出会って恋仲に み
零余子(むかご)の役目を知らず 炊き込み飯 み
尋ねれば「鹿」と返すシェフは猟師 み
折詰のかっぱ巻き 夜行は楽し み