ポリープを取って安堵のおけら鳴く み
0.1mm(こんまいちみり)ぐらいの虫か何か み
蜩(ひぐらし)の、ガラス細工に喩(たと)えられ
ここはここ いまはいま 蟋蟀(こおろぎ)の鳴く み
電柱の裏に蜘蛛の囲(くものい)がある朝 み
鉄棒に錆はなけれどバッタ飛ぶ み
秋の蚊の元気よき渋谷の暗渠(あんきょ) み
静けさに堕ちてしまうか夜の蝉 み
静臥(せいが)して不整脈かな昼蛍 み
蝸牛(かたつむり)は平和になっては困る み
土下座という言葉を知っている蟻 み
蚊を掴(つか)み開(ひら)けばいないマジックよ み
ヘルメットのライトに騒いで羽蟻 み
「ちょうちょが怖い」と長男が硬直 み
薪を割る。綿虫が飛び、日が暮れる み
皿を洗う音を聞いてる蟋蟀(こおろぎ) み
竹籤(たけひご)の虫籠(むしかご)の作成キット み
螽蟖(きりぎりす)にも音痴はいる。笑うな み
靴を磨いていると鈴虫がいた み
蟷螂(かまきり)が未知から来ては首傾(かし)ぐ み
孑孑(ぼうふら)に止(とど)めを刺して豪雨去る み
印傳(いんでん)の摩れた蜻蛉(とんぼ)の長財布 み
電車待つ脹脛(ふくらはぎ)、蚊の刺され痕 み
端っこの席へススッとゴキブリや み
黒い蟻、蟻、蟻、蟻、蟻、蟻、蟻、… み
13年(じゅうさんねん)×17年(じゅうしちねん)=蝉が来る み
考えと現実。『落し文』は虫 み
露天風呂 ボーッとしてたら わっ蜂! み
写生中に蝶が群がって邪魔よ み
ブロッコリ切れば菜虫(なむし)がギャッと出る み