自信作、突き返されて春の宵 み
「太陽」を「大腸」と読む春の昼 み
三椏(みつまた)の花(はな)のブローチを吾妹(わぎも)に み
「初春(はつはる)や…」 無用の用ね、文字の列 み
「名月や…」ヘタウマという誉め言葉 み
入力予測に君の名が出る処暑(しょしょ) み
先生が誉めれば駄句も花の宴 み
どうにでもとれる歌占、初詣 み
ノートに未完の句累々(るいるい)、年の瀬 み
クレマチス 夏の季語なの 冬咲きも み
いま言うか そのサヨウナラ 落葉風 み
「鳥風や」春か秋かは知らんけど み
南五味子(さねかずら)、髪整えて逢坂へ み
その歌のあと、幾つもの蛍(ほたる)飛び み
亀鳴くか 本当(ほんと)は何が 鳴いたのか み
鶯(うぐいす)の歌詠めずにアトピー出る み
『シガ』を知り久慈川の和歌を検索 み
句を練れば自己共感の年忘れ み