これが小春日というものかな、初老 み
用もなく母を訪ねて今朝の冬 み
父の遺品を選り分ける十三夜 み
帰ると約束していた盆休み み
メガネ屋へ車椅子押す五月晴れ み
春浅し年(ねん)に数回父を見る み
いつの正月か 日付のない写真 み
買い置きの麩(ふ)を帰省の子に持たせる み
梅雨寒に母の欠伸か溜息か み
桐箱の高級カステラ、母の日 み
父と歩くつもりだった母の春 み
母の一歩にのしかかる冬の霧 み
祖母の干し柿のホコリ、拭うべきか み
母から宅配便来(く)る。夏蜜柑 み
母の日や でも何をすればよいのか み
「義母の雑煮を食べた」と聞いた五日 か
冬の夜にスマホ震え『母』着信 み
干さんでいいのに 母、羽根布団(はねぶとん)干す み
お年玉 母に渡すが 『往(い)って来(こ)い』 み <回想でよむ。2022年正月はコロナ感染警戒で母には会わず。>
庭木刈る 「清々(せいせい)した」と 母ぽつり み
避寒から うりずん愛(お)しみ 母、帰京 ま
菊菜(きくな)を茹でる祖母の手首に輪ゴム み
福引に母の運借り鐘・歓喜 み