2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
夏雲三兄弟 今日は次郎か み
炒飯(ちゃーはん)にシャキッ 腹に障(さわ)らぬ萵苣(ちしゃ) み
茄子(なす)に棘(とげ) 胡瓜(きゅうり)にも棘(とげ) 偉そうに の
青葉山、急カーブから灘(なだ)望む み
おひとりさま、小玉スイカ冷えてるよ み
午前二時、炭酸水(たんさんすい)飲む屋上 み
炎昼(えんちゅう)に猫を探して夏目坂(なつめざか) み
高速バス 冷えた窓 夏の星座 み
夏休み借りた本に詩の書き込み が
「ここは鰻屋だった」と監査役が か
旱(ひでり)、涸(か)れ井戸の底から万華鏡(まんげきょう) み
『砂漠の思想』 病葉(わくらば)を栞(しおり)には み
驟雨(しゅうう)や、ロビーに居残り出会う運 ま
熱帯魚?イラブチャーを酢味噌韲(あ)えで み
茄子漬(なすづけ)や「青は食欲削(そ)ぐ」は嘘(うそ) み
夏、書くこと多いと短い日記 が
起き抜けに気後れするや蝉の翅(はね) ま
緋水鶏(ひくいな)は空耳(そらみみ)か休耕田に の
風鈴屋台(ふうりんやたい)にカオス降臨せり み
ラナイの籐(とう)テーブルにチェス指す午後 み
夏の日沈み裾濃(すそご)めく藍の海 み
その歌のあと、幾つもの蛍(ほたる)飛び み
夏蕪(なつかぶ)を甘酢に漬ける。睡魔(すいま)来る み
蟻の列、歴史の岐路に逡巡(しゅんじゅん)す み
七夕(たなばた)に短冊(たんざく)読んで事実知る み
『素麺(そうめん)』か 『冷麦(ひやむぎ)』か 色付きの有無 み
焦熱(しょうねつ)の舗道に ポツリは白雨(はくう)か み
鮎二匹 宙(そら)にびゅるっ 攩(たも)にずぼっ み
枝豆をキンキンに どえりゃあ暑い み
たどり着く機械室の強冷房 み